おこめ

年下彼氏×年上彼女 の恋愛小説書いてます

My precious one 1話


1



会社のビルのエントランスにある
コーヒーショップのイケメン店員さん。

かっこよくて、愛想も良くて、同僚からも人気だった。



「ねえ梨紗、コーヒー買いに行こ」

『うん!』


こんな会話も日常茶飯事で
私もコーヒーショップの店員さんの彼に癒されていた。


いつものようにコーヒーを買いに行ったある日。


「いらっしゃいませ」

いつものようにイケメンくんに迎えられる。


『あ、ラテください。』

「かしこまりました。ミルク多めですよね。」

『えっ、あっはい、、お願いします。』



私の注文を覚えてくれていて少し驚いたけど
これだけ毎日のように来ていたら
覚えられても無理ないよね…
なんて通い詰めてることがちょっと恥ずかしくもなった


「お待たせしました。」

『ありがとうございます』

「午後も頑張ってください。」



ニコッと笑う彼にもう何度目かわからないけど
今日もまた心を奪われそうになりながら
心は充電されて午後も仕事に集中できた。



少し残業になり遅くなってから会社を出ると
コーヒーショップのイケメンくんの姿が…



『わ、こんな時間までいるんだ…..』



そんなことを思いながら挨拶する間柄でもなければ
ミルク多めを覚えてもらえてるからといって
一お客には変わりないと自分を冷静にさせ
目の前を通り過ぎようとした。


その時…..



「あのっ」



『えっ、私?ですか?』


思いもよらなかったことに驚きが隠しきれない。


「突然声かけてしまってすみません。
そこのコーヒーショップで働いてる永瀬といいます。」


『お疲れ様です。。。』

「あの、もしよければ、なんですけど」

『はい、、』



「連絡先教えていただけませんか?」



『えっ』

「すみません、やっぱり迷惑ですよね」



一瞬、いくら毎日通ってるコーヒーショップの
イケメン店員さんとはいえ
連絡先を教えるのは心配性な私は
少し躊躇いがあったけれど。


嬉しくないといえば嘘になるし、
交換だけでもしてみようと思った。


『いえ、そんなこと…..ないです。』

「ほんまですか?!」


関西人なんだ...


『はい……』

「えっと、じゃあ….」


イケメンくんは携帯を取り出してQRコードを表示し


「読み取っていただけますか?」

『はい..』


そうして連絡先を交換した。


こんなのいつぶりだろう…


私の名前が追加されたことを確認すると
パッと笑顔になり、


「ありがとうございます!
連絡しますね、お疲れ様です!」


と嬉しそうに帰っていった彼の後ろ姿を見送り、
そわそわする気持ちを抑えながら電車に乗った。